
飲食店のメニュー制作ソフトは、たいてい間違った理由で選ばれています。テンプレートの数で決めてしまい、半年後に、たった一度の値上げで同じ数字を4か所に打ち直すはめになると気づくのです。ここでは7つのツールを、各社が自社ページで公表している価格に基づき、実際にどれだけ手間がかかるかという観点で評価します。
かんたんまとめ:以下の7つの飲食店メニュー制作ソフトは、大きく3つに分かれます。iMenuPro($16/mo)とMustHaveMenus($49/mo、店舗ごと)はメニュー専用。CanvaとAdobe Expressは汎用デザインツール。Menutech、PosterMyWall、Squareは特化型です。ただし、料理を撮影してくれるものは1つもありません。
決め手になる5つのポイント
スクリーンショットで見ると、どのテンプレート集も同じに見えます。しかし中身は違います。
印刷用データの書き出しと塗り足し
本当の印刷用PDFには、3 mmの塗り足し、トンボ、CMYKカラーが含まれます。塗り足しがないと、印刷所は文字に食い込んで断裁するか、白い細い線を残してしまいます。Canva、Adobe Express、MustHaveMenusはいずれも塗り足し付きで書き出せます。iMenuProはブラウザから直接印刷する方式で、店内でコピー用紙に刷るには手軽ですが、商業印刷にはやや力不足です。
価格改定がどこに響くか
1つの数字を何か所打ち直すか数えてみてください。メニュー専用ツールなら、品目を一度直せば印刷用もQRもテレビ画面もすべて追随します。汎用デザインツールでは、メニュー1枚ごとに独立したファイルなので、季節ごとの価格改定にディナー・ブランチ・テイクアウトで合計2時間は取られます。
QRコードとデジタル書き出し
標準で使えるのか、それとも追加オプションか。iMenuProはQRの読み取り回数が無制限で、QRの設置場所を複数登録でき、テレビ向けのデジタルサイネージも追加料金なしで使えます。MustHaveMenusはDisplayを有料オプションとして販売しており、公開されているレビューで最も多い不満がこの点です。Squareは自社ブランドの注文ページを無料で提供し、お客さまはそこから注文できます。
テンプレートと素材ライブラリ
MustHaveMenusは15,000点の飲食店向けデザインをうたっています。Canvaのライブラリはさらに大きいものの、汎用的な内容です。それより重要なのは、自店のロゴ、ブランドフォント、独自のグラフィックを、追加課金なしでアップロードできるかどうかです。
デザイナーが必要かどうか
ドラッグ&ドロップの自動整形なら、価格の修正は店長でも十分こなせます。自由レイアウト型のツールでは、誰かがテキストボックスの位置を揃え続けることになります。たいていは、深夜のあなたです。
トンボ、塗り足しガイド、カラーコントロールバーが入ったメニューの校正紙を、印刷所のライトテーブルに広げたところ
飲食店メニュー制作ソフトの料金
2026年9月1日時点で、各社の公式ページを確認しています。
| ツール | 公表価格 | 課金単位 |
|---|---|---|
| iMenuPro | $16/mo, or $135/yr | アカウント単位 |
| MustHaveMenus | $49/mo, or $492/yr | 店舗単位 |
| Canva Pro | 約 $15–18/mo | ユーザー単位 |
| Adobe Express | 常時公表なし | ユーザー単位 |
| Menutech | €15–€60/mo、5段階のプラン | アカウント単位 |
| PosterMyWall | $5.99 per download, 9 pages | ダウンロード単位 |
| Square for Restaurants | 無料、または Plus $49/mo | 店舗単位 |
正直に申し添えると、2点あります。Canvaは価格の自動確認をブロックしており、2024年以降Proを複数回値上げしているため、あくまで目安の幅としてお考えください。Adobeは比較できる形の米国向け固定価格を公表していないので、こちらで数字をでっち上げることはしません。
7つのツールを個別に見る
1. iMenuPro — メニュー専用ツール
ここで唯一、製品そのものがメニューのために作られているツールです。キャンバス上に配置するのではなく、リストに品目を入力していくと、リーダー罫と価格の揃った体裁に自動で整形されます。デザインを切り替えても入力した文字はそのまま残ります。スタイル同期のしくみがあるため、1か所の修正が全体に反映されます。弱点は、グラフィック素材が少なめで、デザインの上限が低いことです。
2. MustHaveMenus — テンプレート数が最多
15,000点の飲食店メニュー用テンプレートに加え、ここで最も作り込まれた品目表現が使えます。ハイライト、アレルギー・食事制限のアイコン、独自のセクション分けなどです。ただし課金単位に注意が必要です。MustHaveMenusは店舗ごとの課金なので、5店舗ならDisplayオプションを付ける前の時点で$245/moになります。見た目にこだわる1店舗なら、MustHaveMenusが最適です。
3. Canva — 汎用デザインツール
無料プランでも実用に足り、素材ライブラリは膨大で、編集可能なリンクを数秒で共有できます。ただしCanvaにはメニューのデータ構造がありません。ファイルはすべて独立していて、何も同期しません。おすすめ品の案内を作るのには向きますが、価格の正本として使うには向きません。
4. Adobe Express — 文字組みが最良
ブランドの印象を書体で作っているなら、フォントとカーニングの扱いはExpressがここでは群を抜いており、PDF書き出しも商業印刷に耐える品質です。Adobeの公式ヘルプによると、Express Premiumは現在Acrobat Studioのサブスクリプションに含まれるため、単体で契約する前に、自社が既に何を支払っているか確認してください。
5. Menutech — アレルギー表示と多言語対応
ヨーロッパの飲食業向けに作られたツールです。レシピ、食材、原価率を一元管理し、同じ品目データからアレルゲン表示と翻訳済みメニューを生成します。20品のタコス店には過剰ですが、3か国語で印刷するなら不可欠です。
6. PosterMyWall — ダウンロードごとの課金
異色の存在です。無料で始めて作成・編集し、書き出すときにだけ支払います。9ページまでで$5.99、10ページ以上で$14.95です。年に2回作り直す程度なら、月額を12回払うより安くつきます。メール配信もするなら定額プランもあります。
7. Square for Restaurants — POS一体型という選択肢
すでに使っているかもしれません。Squareの無料プランには品目・メニュー管理と自店ブランドのオンライン注文サイトが含まれるため、デジタルメニューはスタッフがレジに登録済みの価格をそのまま引き継ぎます。ここで唯一、価格の正本が1つに定まる方式です。ただし印刷用のメニュー組版はできません。Plusは店舗ごとに$49/moです。
刷り上がった差し替えページを革のメニューカバーに差し込む手元と、その横に積まれた古い価格表
飲食店メニュー制作ソフトの選び方
- 1店舗・印刷中心:毎週刷り直すならiMenuPro、仕上がりを納期より優先するならMustHaveMenus。
- 1店舗・QRのみ:Squareの無料プラン。ここで探すのは終わりにしましょう。
- 複数店舗・2〜10店:計算してみてください。店舗ごとの課金は、たいていアカウント単位の定額に負けます。
- ホテル・介護施設・多言語:Menutech。
- 作り直しは年2回:PosterMyWall。浮いたお金は取っておきましょう。
レイアウトをまだ決めかねていますか。まずはレストランメニューのデザイン方法とメニューボードのデザインをご覧ください。画面中心で考えている方にはデジタルメニューボード、移動販売なら固有の制約をキッチンカーのメニューデザインとキッチンカーのメニュー表で解説しています。デリバリー専門店の方はゴーストキッチンのメニュー設計へ。20店舗以上のチェーンはFDAのメニュー表示要件にも該当し、ADAのガイダンスがアクセシブルな表示形式について定めています。
どのツールも、ここから先には進めません
ベンダーのページが触れていないのは、この点です。7つとも、メニューの体裁は整えてくれます。しかし、料理を撮影してくれるものは1つもありません。
テンプレートに画像枠がある時点で、写真が必要になります。そうなると結局、厨房の蛍光灯の下でスマホで撮った1枚か、よそのお店のハンバーガーのストックフォトか、カメラマンの1日あたりの撮影料か、そのどれかに戻ってしまいます。写真付きメニューが、良い写真3枚と空欄11個という状態で世に出がちなのはそのためです。メニュー撮影を一度行えば解決しますが、付け合わせを変えた途端にまた崩れます。
FoodShotは飲食店のメニュー制作ソフトではありませんし、今後もそうなることはありません。その一歩手前を担うものです。実際の料理をスマホで撮った写真をアップロードし、スタイルを選ぶと、印刷にも耐える4Kの写真が手に入ります。それを、上で選んだツールに読み込ませてください。撮影については飲食店の料理写真ガイドとメニュー写真ガイドで解説しています。料金は$15/moからです。レストラン、カフェ、ピッツェリア、ファインダイニング、キッチンカー、ゴーストキッチン、AI料理写真、スタイルライブラリもご覧ください。
よくある質問
最も安い飲食店メニュー制作ソフトはどれですか?
デジタルだけでよければSquareが$0、印刷がまれならPosterMyWallがダウンロードごとに$5.99です。Canvaの無料プランでも足りますが、その分の時間を支払うことになります。実際のサブスクリプションで最も安いのは、年額払いのiMenuProで$11.25/moです。
やはりグラフィックデザイナーは必要でしょうか?
1店舗の紙のメニューであれば、必要ありません。ドラッグ&ドロップのメニューテンプレートを使えば、2時間でそれなりの体裁になります。デザイナーに依頼すべきなのは、ブランドの世界観やロゴをゼロから作る場合か、特殊な型抜き加工をする場合です。それはレイアウトではなく、印刷加工の領域です。
印刷用のメニューをCanvaで作れますか?
作れます。仕上がりサイズを設定し、書き出し時にトンボと塗り足しを有効にして、PDFを印刷所に渡してください。ただし、何も同期しない点は受け入れてください。価格を1つ変えるたびに、全ファイルを手作業で直すことになります。
印刷用とQRのメニューを同時に更新できるのはどのツールですか?
iMenuProが最も分かりやすい形です。印刷用のメニューからQRメニューを作り、両方を同じ状態に保ちます。MustHaveMenusも同じことができますが、ディスプレイ表示は追加オプションです。Squareはデジタル側をPOSと同期しますが、印刷はできません。
メニュー制作ソフトが料理写真を作ってくれますか?
いいえ。ここで紹介したツールはどれも空の枠を渡してくるだけで、写真はあなたが用意する前提です。自分で撮るか、購入するか、自店の料理写真から生成するかです。AI料理写真編集ツールの比較記事とAIで生成する料理写真もご覧ください。
率直にまとめます。価格が同期する飲食店メニュー制作ソフトのうち最も安いものを選び、浮いた分はお客さまの目に実際に触れる写真に使ってください。レイアウトはすでに解決済みの問題です。あなたの料理の写真は、まだそうではありません。
