
飲食店やカフェのSNS向け料理写真は、どこも同じところでつまずきます。1枚の写真を撮ってすべてのSNSに投稿すると、各プラットフォームで別々にトリミングされてしまうのです。正方形に収めたハンバーガーも、9:16のストーリーズではバンズが切れてしまいます。解決策は、9回撮影することではありません。必要な範囲より広めに構図を取った1枚のマスター写真から、5種類の比率でトリミングし、各プラットフォームが実際に公開しているサイズに書き出すことです。元の写真がスマホで撮った暗い1枚なら、先に料理写真エディターで整えて、トリミングする価値のあるマスター写真にしましょう。
要点:SNSの9つの掲載枠は、5種類の比率で対応できます。4:5(Instagramフィード、Facebook、X、LinkedInの写真投稿)、9:16(ストーリーズ、リールのカバー、TikTok)、2:3(Pinterest)、1:1(Googleビジネスプロフィール、Yelp)、1.91:1(LinkedInのリンクプレビュー)です。マスター写真を1枚撮り、料理を画面中央の半分の範囲に収めて、そこから各比率の画像を書き出しましょう。
SNS向け料理写真:9つの掲載枠のサイズ早見表(2026年11月)
フィードには1080 × 1350(4:5)、全画面表示には1080 × 1920(9:16)、Pinterestには1000 × 1500(2:3)、Googleには720 × 720以上の正方形を使いましょう。各行の情報は、2026年11月6日にプラットフォームの公式ヘルプまたは広告ガイドで確認しました。数値が公開されていない場合は、その旨を表に記載しています。
| 掲載枠 | 縦横比とピクセル数 | 重要なものを置かない範囲・注意点 | 撮影するもの |
|---|---|---|---|
| Instagramフィード | 4:5、1080 × 1350(3:4の1080 × 1440でも画質をそのまま維持) | 3:4のプロフィールグリッドでは、4:5の写真の左右がそれぞれ約34 px切り取られる | 45度の角度から:ハンバーガー、レイヤーケーキ、カクテル |
| ストーリーズとリールのカバー | 9:16、1080 × 1920 | 上部14%(269 px)、下部35%(672 px)、左右それぞれ6%(65 px)。グリッドにはカバー中央の1080 × 1440が表示される | 背の高いグラスや注ぐシーン。上に文字を置けるよう、何もない壁を残す |
| Facebookフィード | 4:5、1440 × 1800。幅は最低600 px | 画像に重なる表示はなし。Metaは縦横比の3%の誤差を許容 | 取り分ける料理、テーブル全体 |
| 2:3、1000 × 1500 | 2:3より縦長の画像は切り取られる場合がある。真っ白または真っ黒の背景には薄い色が重なる | 食材と一緒に真上から撮る置き画 | |
| TikTokのフォトモード | 9:16、1080 × 1920。写真は最大35枚 | 下部と右端にキャプションやボタンが重なる | 食材、盛り付け、切った断面を順番に見せる |
| X | 写真1枚の投稿なら、2:1〜3:4の比率で全体が表示される | 複数枚の写真を並べると、各画像がトリミングされる | 主役の料理1皿、本日のおすすめ |
| Googleビジネスプロフィール | 1:1、推奨720 × 720、最低250 × 250。JPGまたはPNG、10 KB〜5 MB | 強いフィルターは使わない。Googleは実物を正確に伝える写真を求めている | 提供時のままの看板料理、店内、店頭 |
| Yelp | 公開されているサイズ指定はなし。正方形の画像を再利用 | ロゴやコラージュは使わない | 明るい光の下で、1皿に寄って撮る |
| リンクプレビューは1.91:1、1200 × 627。写真のみの投稿は4:5の画像を再利用 | リンク画像は幅200 px未満だと小さなサムネイルになる | ケータリングの料理、料理の受け渡し台に集まるチーム |
出典:Instagramヘルプセンター、MetaのストーリーズとリールのセーフゾーンおよびFacebookフィードの仕様、Pinterestの仕様、Xヘルプセンター、Googleビジネスプロフィールのヘルプ、LinkedInヘルプ。Metaのセーフゾーンは広告向けに示されたものですが、通常のストーリーズにも同じ表示要素が重なります。
5種類の比率で9つすべての掲載枠に対応
4:5の画像はInstagramフィード、Facebook、X、LinkedInに使えます。9:16の画像はストーリーズ、リールのカバー、TikTokに対応します。Pinterestには専用の2:3、GoogleとYelpには共通の正方形を用意し、1.91:1はLinkedInのリンクプレビューだけに使います。ファイル名はプラットフォーム名ではなく、比率がわかる名前(ramen_4x5.jpg)にすると、素材ライブラリで探しやすくなります。
1枚のマスター写真から5種類にトリミングする手順
どのトリミング範囲よりも縦横に余裕のあるマスター写真を1枚撮り、すべてのトリミングで共通して残る範囲に料理を収めます。そのマスター写真から、各比率の画像を書き出しましょう。正方形の画像では、幅の中央56%、高さの中央52%がこの共通範囲になります。
天板で焼いたフォカッチャを細長い縦型、縦長、正方形、横長に切り分けた写真。1枚のマスター写真から5種類にトリミング
手順1:どのプラットフォームに必要な範囲よりも広く撮る
9:16は横幅が最も狭く、1.91:1は高さが最も低いトリミングです。正方形のマスター写真では、幅の56%、高さの52%が残ります。この中央の範囲からはみ出したものは、どこかの掲載先で見切れてしまいます。
スマホのカメラでは、この範囲がさらに狭くなります。4:3の撮影画面を縦向きにすると、幅は75%残りますが、高さは39%だけです。横向きにすると、幅は42%になります。そのため、マスター写真を撮るときは一歩下がるかスマホを高く上げ、テーブルの端も画面に残しましょう。スマホで料理写真を撮る方法では構え方や角度を解説しています。また、俯瞰撮影用アーム付きの三脚があれば、真上からの置き画を同じ構図で繰り返し撮れます。
手順2:トリミング前にピクセル数を確認する
4096 × 4096のマスター写真を各比率でトリミングしたときに残るピクセル数と、要求される最大サイズを比べてみましょう。
| トリミング比率 | 4096 × 4096のマスター写真から残るピクセル数 | 要求される最大サイズ | 解像度の余裕 |
|---|---|---|---|
| 9:16 | 2304 × 4096 | 1080 × 1920(ストーリーズ、TikTok) | 2.1× |
| 4:5 | 3277 × 4096 | 1440 × 1800(Facebook) | 2.3× |
| 2:3 | 2731 × 4096 | 1000 × 1500(Pinterest) | 2.7× |
| 1.91:1 | 4096 × 2144 | 1200 × 627(LinkedIn) | 3.4× |
| 1:1 | 4096 × 4096 | 1080 × 1080(Yelp、再利用) | 3.8× |
どの比率にトリミングしても、必要なピクセル数の少なくとも2倍が残ります。そのため、後からさらに寄ってトリミングしても、料理がぼやけるのを防げます。
手順3:最も狭いトリミングから書き出す
まずは9:16から始めましょう。そこに皿が収まれば、ほかの比率にも収まります。次に2:3、4:5、正方形、1.91:1を書き出します。保存形式はsRGBのJPEGにしましょう。Pinterestはアップロードした画像をいずれにしても8ビットRGBのJPEGに変換し、TikTokの開発者ガイドでは、写真はJPEGまたはWebPのみ、上限は1080pとされています。
手順4:文字は最後にセーフゾーン内へ追加する
1080 × 1920の画像では、Metaのセーフゾーンは上端から269 px〜1,248 px、左右の端からそれぞれ65 px内側にある、950 × 979 pxの範囲です。この範囲の上側に料理名と価格を置き、中央から下側を皿で埋めるようにしましょう。
プラットフォーム別の見せ方:各フィードで目を引く写真
サイズが合っていれば写真は表示されますが、スクロールする手を止めるのは見せ方です。効果的な撮影角度や余白の量は、フィードごとに異なります。
Instagramのフィードとグリッド
フィードでは高さを見せると魅力が伝わります。45度から撮れば、ハンバーガーの層、重ねたパンケーキ、カクテルの飾りが見えます。プロフィールグリッドが3:4の枠に変わったため、Instagramに直接1080 × 1440でアップロードすれば、左右を切り取らずに枠いっぱいに表示できます。ほかのSNSにも投稿する写真は4:5のままにしましょう。Instagramの料理写真ガイドでは、ハッシュタグや編集方法を解説しています。
ストーリーズとリールのカバー
ここでは縦に長い被写体が映えます。背の高いドリンク、飲み物を注ぐ瞬間、ソースが滴る様子などです。文字を置けるよう、皿の上にはすっきりした壁の余白を残しましょう。
Pinterestでは、調理の途中を思わせる真上からの置き画が好まれます。ボウル、食材、スプーンですくう手などを写しましょう。また、Pinterestは背景が真っ白または黒に近いピン画像に薄い色を重ねるため、オフホワイトのリネンや淡い色の木を使うと、撮影したときの色を保てます。Pinterestで見つけた雰囲気が気に入ったら、Pinterest風の料理写真で自分の料理にも同じテイストを取り入れられます。Pinterestのフードトレンド一覧では、どのような投稿が保存されているかを紹介しています。
オフホワイトのリネンに置いたチキンタジンと、スプーンですくう手を真上から撮影した、Pinterest風の料理写真
TikTokのフォトモード
TikTokのCreator Academyによると、写真カルーセルには最大35枚の画像を使えます。食材の状態、完成した料理が受け渡し台に置かれる瞬間、最初に切り分けるところまで、一連の流れとして見せましょう。右端には「いいね」やシェアのボタンがあるため、文字を置かないようにします。
Facebook、X、LinkedIn
3つとも4:5の画像を使えます。Xでは、写真1枚なら2:1〜3:4の比率で全体が表示されます。LinkedInには、ケータリングのメニュー、イベントに並ぶ料理、チームの写真が向いています。1200 × 627の画像は、リンクを共有するときだけ使いましょう。
GoogleビジネスプロフィールとYelp
Googleは「ピントが合っていて明るい」写真で、「大幅な加工や過度なフィルターの使用がない」ものを求めています。そのため、テーブルに運ばれてくる料理に見た目が近い写真をアップロードしましょう。Yelpはピクセル数を公開していませんが、ビジネス向けガイドではロゴやコラージュを避けるよう呼びかけています。また、消費者がオンラインで店を選ぶ際に重視する要素の上位3つに、写真が入ると説明しています。Googleビジネスプロフィールの写真仕様では、すべての掲載枠を詳しく解説しています。
昼食時の窓辺で、提供されたままの海南チキンライスを撮影した、実物を正確に伝えるGoogleビジネスプロフィール用の料理写真
実際の来店につながるプラットフォームは?
多くのオーナーが思う以上に、Facebookは来店につながっています。Toastが米国の成人1,466人を対象に2025年10月9〜15日に実施し、PMQ Pizzaが報じたブラインド調査では、店を知るきっかけとして口コミが38%で最多、通りがかりが30%でした。続いてFacebookが27%、地図アプリが18%、検索が16%、InstagramとYouTubeがそれぞれ15%、TikTokが14%でした。Z世代では、38%がTikTokを挙げています。
ここからわかることは2つあります。この調査では地図アプリがInstagramを上回っているため、Googleにアップロードする正方形の写真もSNS向けコンテンツの一部です。そして、客層に合わせて力の入れ方を変えましょう。Z世代のお客様が多ければTikTokが特に重要ですが、全年代ではFacebookを挙げた人がInstagramのほぼ2倍でした。飲食店におすすめのSNSランキングでは、さらに詳しく解説しています。
保存されるSNS向け料理写真のポイント
料理コンテンツへの反応は、トリミング前のいくつかの選択で変わります。
- 1つの窓から入る横方向の光。パンの皮や焼き目の質感を立体的に見せてくれます。頭上の蛍光灯では、その質感が平坦になります。ライティングガイドで配置を紹介しています。
- 質感が伝わる距離まで寄る。クロワッサンの内側の層、串焼きの焦げ目、器から立ち上る湯気を見せましょう。
- 人の動きを入れる。パンをちぎる手や、飲み物を注いでいる途中の様子を写すと、メニューの1品が体験として伝わります。
- 切った断面を見せる。切り分けたハンバーガー、扇形に切ったケーキ、箸で開いた餃子など、内側を見せましょう。
- 1枚につき主役は1つ。コラージュにすると、スマホではどの料理も小さなサムネイルになってしまいます。
- ひと目でわかる統一感。毎回同じ撮影面、同じ光、同じ色調にそろえると、フィード全体が1つのブランドとして伝わります。
最後のポイントは、複数のプラットフォームで同じフォロワーに発信するときに特に重要です。
窓からの光の中、れんげの上の小籠包を箸で開くとスープがあふれる様子を捉えた、保存したくなる料理写真
毎週撮影しなくても、どのトリミングでもブランドの統一感を保つ
SNSの料理コンテンツでつまずきやすいのは、統一感です。写真自体はよくても、並べると同じブランドに見えないことがあります。FoodShotは、その課題に対応するためのツールです。スマホの写真をアップロードし、200種類以上のスタイルから1つを選ぶと、1回のアップロードから複数のバリエーションを、それぞれ約1分で作成できます。既存のメニュー写真をMy Stylesの参照画像にして、ブランドに合わせることも可能です。出力は4Kで、正方形の写真は4096 × 4096 pxになります。これは、上のトリミング表で使ったマスター写真と同じサイズです。
FoodShotで作成できるのは静止画のみです。リールやTikTokの動画には引き続き動画素材が必要ですが、カバー、ストーリーズ用の画像、写真カルーセルには静止画を使います。すべてのプランが有料で、商用利用ライセンスが含まれています。月25枚で$15から利用できます。詳しくは料金プランをご覧ください。まずはツールを比較したい場合は、おすすめの料理写真アプリでほかの選択肢を紹介しています。また、飲食店のSNS投稿アイデア50選は、料理コンテンツクリエイターにも店舗オーナーにも、投稿カレンダーを埋めるのに役立ちます。
よくある質問
2026年のInstagramに最適な料理写真のサイズは?
ほかのSNSにも掲載するフィード投稿には1080 × 1350(4:5)を使いましょう。Instagramに直接アップロードし、グリッドの枠いっぱいに表示したい場合は1080 × 1440(3:4)にします。ストーリーズとリールのカバーは1080 × 1920(9:16)です。Instagramでは、幅1080 pxを超える画像は1080に縮小されます。
すべてのプラットフォームで同じ料理写真を使える?
写真は同じもので構いませんが、ファイルは分ける必要があります。1枚のマスター写真から5種類にトリミングすれば、9つすべての掲載枠に対応できます。同じファイルをすべてに使うと、各アプリが独自にトリミングしてしまい、Pinterestでは料理の飾りが切れてしまうこともあります。
Googleビジネスプロフィールに加工した料理写真を使ってもよい?
Googleは、大幅な加工や過度なフィルターを避け、「実物を正確に伝える」写真を求めています。明るさ、色、構図の調整なら、お客様に提供する料理の見た目を保てますが、別の料理や異なる量に置き換えると、実物とは違ってしまいます。
SNS向け料理写真に動画も必要?
リールは動画ですが、TikTokのフォトモードには最大35枚の静止画を使えますし、どのリールにもカバーが必要です。充実した静止画ライブラリがあれば、写真が必要な部分に対応できます。動画は別に計画し、節約できた時間を、人が実際に保存したくなる投稿作りに充てましょう。
次の料理は、まず9:16にトリミングして確かめてみましょう。最も狭い範囲に収まれば、残りの4種類は書き出すだけです。
