
飲食店のロイヤルティプログラムには、スタンプカード型、ポイント型、来店回数型、会員ランク型、有料会員型、アプリ型の6種類があります。自店に合う仕組みを選ぶうえでは、Starbucksのやり方よりも、常連客がどれくらいの頻度で来店し、1回にいくら使うかのほうが重要です。ソフトウェア費用は、紙のスタンプカードなら$0、特典機能を備えた自店ブランドの注文アプリなら月額約$500まで幅があります。
以下の表では、6種類を横並びで比較します。それぞれに向く飲食店の業態、月額ソフトウェア費用(2026年10月確認)、導入の手間、実際に運用している飲食店をまとめました。その後は、多くのガイドが触れない特典原価の計算を説明します。さらに、ソフトウェア比較では見落とされがちな点も取り上げます。特典が再来店につながるのは、手に入れたいと思える見た目である場合だけです。だからこそ、飲食店の料理写真は、ポイントを管理する仕組みと同じくらい大切なのです。
要点:カフェ、ベーカリー、キッチンカーは、スタンプカード(月額$0〜$95)から始めましょう。ファストカジュアル店やピザ店には、POSに組み込まれたポイント型や来店回数型が向いています(Square Plusなら1店舗あたり$49)。会員ランク型、有料会員型、自店ブランドのアプリは、費用を回収できるだけの来店データと直接注文数がそろってから検討しましょう。特典の費用は、メニュー価格ではなく食材原価で計算します。「9杯購入すると10杯目が無料」のラテは、一般的なカフェなら、その常連客の利用額の10%ではなく約3%の負担で提供できます。
飲食店のロイヤルティプログラム6種類を一覧で比較
6種類のロイヤルティプログラムは、何をすると特典に近づくかが異なります。商品購入(スタンプカード型)、支払い1ドルごと(ポイント型)、条件を満たす来店(来店回数型)、年間利用額(会員ランク型)、月額料金の支払い(有料会員型)、自店アプリでの注文(アプリ型)です。費用と導入の手間は、おおむねこの順に増えていきます。独立系の飲食店の多くは、表の上のほうにある仕組みから始めるとよいでしょう。
| タイプ | 特典の獲得条件 | 向いている業態 | 月額ソフトウェア費用の目安 | 導入の手間 | 実際の事例 |
|---|---|---|---|---|---|
| スタンプカード型 | 対象商品の購入ごとにスタンプ1個。カードが埋まると商品が無料 | コーヒーショップ、ベーカリー、ジュースバー、キッチンカー | 紙なら$0。Apple/Google Walletのスタンプカードは$25〜$95(Loopy Loyalty) | 少ない:午後の半日程度 | Caffè Nero:スタンプ9個でホットドリンク1杯無料 |
| ポイント型 | 支払い1ドルごとにポイントを付与し、所定のポイント数で特典と交換 | 客単価に幅のあるファストカジュアル店、QSR、テイクアウト店 | Square Plusは1店舗あたり$49。Toastは要見積もりで、マーケティング機能のセットは約$185との報告が一般的 | 少ない〜中程度:スタッフ研修を含めて1〜2日 | Chipotle Rewards:$1につき10ポイント |
| 来店回数型 | 最低購入額を超える来店1回につき、1回分を加算 | 客単価が安定しているピザ店、デリ、ランチカウンター | ポイント型と同じPOSツール(Square Plusなら1店舗あたり$49) | 少ない:約1日 | Domino's Rewards:$5以上の注文につき10ポイント。20、40、60ポイントで特典と交換 |
| 会員ランク型 | 会員ランクが上がると、ポイントの獲得率が上がり特典も充実 | 来店頻度が高い、複数店舗を展開する飲食店グループ | Thanx、Paytronix、PAR Punchhによる個別見積もり | 多い:数週間〜数か月(Thanxによると開始まで平均87日) | Starbucks Rewards:2026年3月からGreen、Gold(500 Stars)、Reserve(2,500 Stars) |
| 有料会員型 | 月額料金を払うことで、継続的な特典を利用できる | ドリンクが主力のカフェ、マグクラブを運営するブルワリー | Square Subscriptionsは$0+カード決済手数料。Subportは1店舗あたり$90 | 中程度:料金の計算とルール作りに1〜2週間 | Panera Sip Club:月額$14.99。請求期間ごとにドリンク30杯まで |
| アプリ型 | 自店の注文アプリ内で特典を提供 | オンラインの直接注文が十分にある飲食店 | 約$229〜$409(ChowNowの年間契約プラン)。$249+注文ごとに5%、または定額$499(Owner.com) | 多い:アプリストアの審査を含め数週間 | MyMcDonald's Rewards:アプリ内で$1につき100ポイント |
料金は、2026年10月に確認した通常価格です。出典は、以下の各セクションに記載しています。導入の手間は、必要な作業に基づく当方の見積もりであり、各サービス提供会社が約束する期間ではありません。多くのPOS連携ロイヤルティツールは、複数の方式に対応しています。Square Loyaltyでは、来店ごと、支払い1ドルごと、商品ごと、カテゴリーごとに付与条件を設定でき、Toast Loyaltyでは利用額と来店回数から選べます。
そもそも、なぜ導入するのでしょうか。National Restaurant Associationによると、多少不便な場所であっても、消費者の78%はポイントを貯められる飲食店を選びやすいと回答しています。また、飲食店の67%はすでにプログラムを運用していることも分かりました。Restaurant365の2026年半ばの経営者調査では、集客に最も貢献するチャネルとして、ロイヤルティプログラムはGoogleの口コミと検索に次ぐ2位でした(経営者の19%が回答)。ただし、顧客の支持を得る競争も激しくなっています。Deloitteの飲食店ロイヤルティ調査では、会員の67%が2つ以上のプログラムに参加していました。自店のカードも、すでにいっぱいの財布の中で場所を争うことになります。
クラフト紙のスタンプカードにクロワッサン型のスタンプを押すパン職人。ベーカリー向けの最もシンプルなロイヤルティプログラム
飲食店のスタンプカード:最も安く始められる仕組み
スタンプカードは、対象商品の購入ごとにスタンプを1個押し、カードが埋まると商品を無料で提供する仕組みです。印刷したカードをひと箱用意するか、月額$25のデジタルウォレット用カードを使うだけで始められ、飲食店の特典制度としては最も低コストです。コーヒー1杯、ペストリー1個、スムージー1杯といった、会計額がほぼ同じになる業態に向いています。
Caffè Neroは、定番の仕組みを運用しています。バリスタが作るドリンクを1杯買うごとに、紙のカードまたはアプリにスタンプが付き、9個貯めるとホットドリンクが1杯無料になります。スタンプ自体に有効期限はなく、満了カードの特典は18か月間有効です。二度説明する必要がないほど分かりやすい仕組みです。
紙ならソフトウェア費用はかかりませんが、誰が再来店しているのかは分からず、スタンプも簡単に偽造されてしまいます。デジタルスタンプカードをウォレットに入れる方式なら、この両方を解決できます。Loopy Loyaltyは、カードデザイン1種類・1店舗で月額$25、Growthプランが$69、Ultimateが$95です。カードはApple WalletやGoogle Walletに保存されるため、お客様がアプリをダウンロードする必要はありません。POSシステムなしでも運用できる点は、キッチンカーや市場の出店者にとって重要です。
弱点は、$4のコーヒーも$40のケータリングボックスも同じ扱いになることです。ベーカリーなら、レシート1枚につき1個ではなく、サワードウのパン1本、または1ダースにつき1個というように、商品単位でスタンプを付けると解決できます。特典そのものをカードに載せることも大切です。店内ボードと同じカフェのメニュー写真を使い、目指しているドリンクをスタンプカードに見せれば、10回目の来店までに特典の価値を具体的に感じてもらえます。当サイトのコーヒーショップのマーケティングカレンダーが集客を担い、カードが再来店を支えます。
ポイント型:客単価に幅がある店に最適
ポイント型は、支払い1ドルごとにポイントを付与し、所定のポイント数で特典と交換できる仕組みです。$60の家族向け注文なら、$9のランチよりも多くのポイントが貯まります。客単価に幅があるファストカジュアル店やクイックサービス店に向いています。多くのPOS連携ロイヤルティツールでは、標準設定にもなっています。
代表例はChipotle Rewardsです。$1につき10ポイントが貯まり、無料の料理と交換できます。2026年4月には「Rewards on Repeat」としてリニューアルしました。Chick-fil-Aも基本は1ドルにつき10ポイントで、最初の特典は200ポイント、購入額で約$20から利用できます。
対応するPOSシステムをすでに使っていれば、独立系の飲食店でも費用はそれほどかかりません。Squareでは、1店舗あたり月額$49のSquare PlusにSquare Loyaltyが含まれ、メール配信回数は無制限、SMSも500通まで無料です。3店舗なら$147になります。Toastはロイヤルティ機能を単独では販売していません。料金は見積もり制で、ギフトカードやメール配信を含むマーケティング機能のセットとして月額約$185との報告が一般的です。
設計で最も大切なのは、最初の特典を近くに置くことです。人は目標に近づくと行動を速めます。2個目では感じなかった「あと少し」という気持ちが、9個目のスタンプで生まれるのはそのためです。最初はサイドメニューやドリンク、中間にはメイン料理、最上位には2人分の食事と、段階的に特典を用意しましょう。POSに含まれるロイヤルティ機能と、単独のメール・SMSツールを比較しているなら、当サイトの飲食店向けマーケティングソフトウェア比較で候補を確認できます。
段々に高くなるオーク材の台に、チップスとサルサ、ブリトーボウル、2人分の食事を並べた、ポイント型の段階別特典
来店回数型:ピザ店やランチの常連客に合う仕組み
来店回数型は、利用額ではなく、条件を満たした来店を数えます。最低購入額を超える注文なら、どれも同じ1回分として扱います。ピザ店、デリ、ランチカウンターのように、会計額が比較的安定している店に向いています。お客様も「何回来たか」だけを数えればよいので、進み具合を把握しやすくなります。
最もよく知られる事例はDomino'sです。2023年9月の刷新以降、Domino's Rewardsでは$5以上の注文ごとに10ポイントが貯まります。対象になる注文は1日1回までです。20ポイントでディップやドリンク、40ポイントでパン、60ポイントでトッピング2種類のMサイズピザと交換できます。2回注文すれば、最初の特典に届きます。
利益を守るのは、最低購入額の設定です。これがないと、お客様が1つの注文を3つに分け、3回分を獲得できてしまいます。Squareでは、任意の最低購入額を設定できる「来店」プログラムとして運用できるので、料金は同じくSquare Plusで1店舗あたり$49です。
弱点は、ポイント型の裏返しです。$300のケータリング注文でも、ピザ1切れと同じ1回分にしかなりません。高額注文のお客様が軽く扱われたと感じないよう、来店回数型には、ケータリングや団体注文向けの別特典を組み合わせましょう。
来店回数型のロイヤルティプログラムの特典として、常連客に無料のMサイズピザを手渡すピザ職人
会員ランク型:来店頻度のデータがあってこそ効果を発揮
会員ランク型は、年間の利用実績に応じて会員をランク分けし、上位になるほどポイントの獲得率や限定特典を充実させる仕組みです。最も頻繁に利用してくれるお客様を優遇するために設計されています。来店頻度が高く、お客様が実際に到達できる条件を設定するためのデータが十分にあるブランドなら、効果を期待できます。
Starbucksは2026年3月10日にプログラムをリニューアルしました。ランクはGreen、Gold(年間500 Stars)、Reserve(Gold到達後に2,500 Stars)の3段階です。ランクが上がるごとにStarを獲得しやすくなり、有効期限のないStarsなどの特典が付きます。開始時には、2025年の会員のうち上位5%をReserve、その次の20%をGoldに設定しました。つまり、条件は実際の購買データに基づいています。Chick-fil-A Oneは、Member、1,000ポイントのSilver、4,000ポイントのRed、10,000ポイントのSignatureという4段階で、1ドルあたりの獲得ポイントはそれぞれ10、11、12、13です。
会員ランク型は、制度変更時に顧客の信頼を損なうリスクも最も大きくなります。ポイントやマイルを専門とするライターたちは、Starbucksの刷新によって、Green会員の最高獲得率が旧制度に比べて約25%下がったと計算しました。話題になったのは、新しい特典よりもその点でした。
小規模事業者向けのPOSツールの多くは、本格的な会員ランク制度に対応していません。通常はThanx、Paytronix、PAR Punchhなどの大規模事業者向けプラットフォームが必要で、いずれも店舗ごとの個別見積もりです。Thanxによると、契約から本稼働まで平均87日かかります。独立系の飲食店なら、ソフトウェアを使わずに似た効果を得ることもできます。常連客リストを作り、上位のお客様を特別に迎えましょう。席を確保したり、新作料理を最初に味わってもらったり、飲食店のイベントのチケットを一般発売前に案内したりする方法です。National Restaurant Associationが紹介するThe Capital GrilleのConciergeプログラムも、この方式です。割引の代わりに、優先予約やワイン試飲会への限定招待を提供しています。常連客にとって、ほかの店では得られない体験になります。
ステーキハウスの受付で常連客を迎えるメートル・ドテル。会員ランク型プログラムを支える、常連客として認めてもらえる特典
有料会員型:売上は先に、費用は利用のたびに発生
有料会員型は、毎日のドリンクや継続的な割引などの特典に対して、月額料金を支払ってもらう仕組みです。注文される前に売上を受け取れますが、特典が使われるたびに費用は発生します。1回あたりの提供原価が低い商品と、頻繁に来店するお客様の組み合わせでなければ成立しません。
多くの店が参考にしているのが、PaneraのSip Clubです。2022年4月に月額$10.99で始まり、現在は月額$14.99または年額$119.99です。2026年8月19日から、Paneraは請求期間ごとのドリンク交換数を30杯までに制限しています。この上限が、採算の仕組みを物語っています。「無制限」の会員が1日2回利用すると、会費以上の費用がかかる可能性があるのです。
小規模な仕組みでも運用できます。たとえば、年会費を払うと通常より多めに注いでもらえるブルワリーのマグクラブや、毎日コーヒーを1杯飲めるカフェの「デイリードリップパス」です。ソフトウェア費用は安く抑えられます。Square Subscriptionsなら、Square Dashboardで月額料金なしの定期課金プランを作成できます(カード決済手数料は別途必要です)。ただし、特典の利用状況は手作業で記録します。1店舗あたり月額$90のSubportは、Squareに自店ブランドのアプリを追加し、2時間ごとにドリンク1杯までといったルールを適用できます。
開始前に、3つのルールを書き出しましょう。対象商品(ラテは含めずドリップコーヒーなど)、特典を利用できる頻度、解約方法です。そのうえで、当サイトのメニュー価格の計算式と同じ考え方で、食材原価を基に会費を決めます。具体的な数字は、後半の費用セクションで説明します。
有料コーヒー会員の日々の特典として、セルフサービスのドリップコーヒーコーナーで携帯用タンブラーにおかわりを注ぐ通勤客
アプリ型:オンラインの直接注文が重要な店向け
アプリ型では、自店の注文アプリに特典機能を組み込みます。すべての特典利用が自店で管理するチャネル内で完結し、仲介プラットフォームへの手数料はかかりません。独立系の飲食店にとっては、最も費用の高い選択肢です。オンライン注文のうち、すでに相当な割合が直接注文になっている場合に限り、費用を回収できます。
この仕組みを大規模に実践しているのがMcDonald'sです。MyMcDonald's Rewardsでは、McDonald'sアプリ内の利用額$1につき100ポイントが貯まり、1,500ポイントから特典を利用できます。DoorDashやUber Eatsの注文では使えません。このプログラムの目的は、お客様を自社アプリへ誘導することです。
独立系の飲食店向けには、ChowNowがアプリ、ロイヤルティ機能、メール配信を含むプランを提供しており、G2の2026年掲載情報では、年間払いで月額約$229〜$409です。Owner.comの表示料金は、月額$249+注文ごとの手数料5%、または月額定額$499で、代わりに利用客が5%の手数料を負担する方式です。
契約前に損益分岐を計算しましょう。デリバリープラットフォームの手数料は、1注文あたり30%に達する場合があります。各プランは、当サイトのDoorDashの手数料解説で確認できます。平均注文額$30、手数料25%なら、自店アプリに移行する注文1件につき$7.50を節約できます。月額$300のアプリでは、損益分岐に達するだけでも月に約40件の注文を移す必要があります。そこに遠く及ばないなら、POS内のポイント型でも、6分の1の費用で再来店を促せます。まずは、当サイトの直接注文によるデリバリー売上を増やすガイドから取り組みましょう。
自店の業態にはどのロイヤルティプログラムが合う?
来店頻度と客単価のばらつきに合わせて選びましょう。毎日来店し、会計額がほぼ同じなら、スタンプカード型や有料会員型が向いています。週単位の来店で会計額に幅があるなら、ポイント型です。デリバリー注文が安定して入る店なら来店回数型やアプリ型が向き、高級レストランでは割引よりも、お客様を特別に迎える対応が求められます。
| 自店の業態 | まずはこれから | 向いている理由 | 現時点では見送るもの |
|---|---|---|---|
| コーヒーショップ・カフェ | デジタルスタンプカードから始め、その後に有料ドリンククラブ | 毎日の来店、ほぼ同じ会計額 | 会員ランク型 |
| ベーカリー・洋菓子店 | 販売を伸ばしたい商品の購入に対してスタンプを付与 | $3のクッキーを買うたびではなく、パン1本や1ダースの購入を特典の対象にできる | 自店アプリ |
| キッチンカー | 窓口のQRコードから登録できるApple/Google Walletのスタンプカード | 特定のPOSに縛られず、どこに停車しても使える | 有料会員型 |
| ピザ店 | 最低購入額を設定した来店回数型 | 安定した客単価、高いリピート率 | 紙のカード(偽造されやすい) |
| ファストカジュアル店・QSR | POS連携のポイント型 | 1人分のランチから家族分の注文まで、会計額の幅が広い | 一日中ドリンクが売れる店を除き、有料会員型 |
| カジュアルなフルサービス店 | ポイント型に誕生日や記念日の特典を追加 | 来店回数は少なめでも、1回の利用額が大きい | スタンプカード型 |
| 高級レストラン | 特別なおもてなし:優先予約、シェフズテーブルへの招待 | 割引は体験の価値を下げてしまう | 支払い1ドルごとのポイント付与 |
| バー・ブルワリー | マグクラブ(有料)または来店回数型 | 常連客はドリンクと同じくらい、店の空間を楽しみに来る | 自店アプリ |
| 10店舗以上 | 大規模事業者向けプラットフォームによる会員ランク型またはアプリ型 | ランク条件を調整できるだけのデータと利用実績がある | 紙を使う仕組み全般 |
キッチンカーは、特に簡単に始められます。ウォレットのカードなら、窓口にQRコードを貼るだけでよく、当サイトで紹介しているほかのキッチンカーのマーケティングアイデアにも無理なく組み込めます。
飲食店のロイヤルティプログラムに実際いくらかかる?
ロイヤルティプログラムの実際の費用は、ソフトウェア代に、各特典の食材原価と、レジでのちょっとしたスタッフの作業時間を加えたものです。特典はメニュー価格ではなく、実際に作るのにかかる費用で評価しましょう。$5のラテを無料で提供するとき、カフェが負担するのはエスプレッソ、ミルク、カップの費用であり、$5よりも$1.25に近い金額です。
同じ計算を3つのプログラムで比較してみましょう。以下の食材原価は、説明のために当方が置いた仮定です。食材原価計算ツールで求めた自店の数字を入れるか、当サイトのカフェのメニューアイデア一覧にある商品別の食材原価率を参考にしてください。
| プログラム | ルール | 通常価格で見た特典の価値 | 食材原価で見た特典の費用 | 常連客の利用額に占める割合 |
|---|---|---|---|---|
| スタンプカード型(カフェ) | $5のラテを9杯購入し、10杯目は無料 | $5。ドリンク$50分の10% | $1.25 | 支払額$45の2.8% |
| ポイント型(ファストカジュアル) | $1につき10ポイント。1,200ポイントで$12のボウル料理 | $12。$120の10% | 食材原価率30%で$3.60 | $120の3.0% |
| 有料会員型(カフェ) | 月額$15。会員がドリップコーヒーを20杯利用 | 1杯$3のコーヒーが$60分 | 1杯$0.40で$8 | 追加購入がなくても、クラブには$7が残る |
スタンプカードの規模を大きくしてみましょう。毎月120枚のカードが満了するカフェでは、有料のラテを1,080杯、金額にして$5,400販売しています。無料ドリンクの食材原価は約$150で、これにLoopy Starterプランの$25が加わります。合計で月額$175、その常連客がもたらした売上の約3%です。10%の「割引」は、店頭の表示上だけのものです。
採算をさらに良くする方法は2つあります。特典には、メニューエンジニアリングでいう「スター」、つまり利益率と人気がともに高い商品か、お客様に試してほしい新商品を選びましょう。そして、ロイヤルティ施策をほかの施策との関係で考えることです。当サイトの飲食店の売上を増やす25の方法を費用順に並べた一覧でも、これは比較的安く実行できる手段です。すでに獲得費用をかけたお客様に働きかけるからです。
手に入れたいと思える特典写真にする
特典が再来店を促すのは、お客様がその商品を思い描ける場合だけです。進み具合を確認するあらゆる場所に、イラストや一行の説明文ではなく、きれいに撮影した実際の特典商品の写真を載せましょう。ウォレットのパス、アプリの特典タイル、「あとスタンプ2個」のメール、カウンターの案内カードが該当します。
こうした表示先には、具体的な仕様があります。AppleのWallet開発者ガイドでは、ストアカードの主要フィールドの背面に置く帯状画像を375 × 123ポイントと定めています。これは、3倍解像度のiPhone画面では1125 × 369ピクセルに相当します。横長で縦幅の狭い切り抜きになるため、皿に盛った商品1つが最も見やすく、料理をたくさん並べたテーブル写真はごちゃついてしまいます。カウンター用カードでは、逆の問題があります。2048ピクセルの画像を300 dpiで印刷すると約6.8インチになり、4 × 6のカードや卓上スタンドに十分な大きさです。
ここで役立つのがFoodShotです。特典の商品をスマホで撮り、200種類以上のスタイルから1つ選ぶと、約2分でメニューに使える2K写真が完成します。ウォレットのパス、アプリのタイル、メール、カウンター用カードに同じスタイルを使えば、どこでも同じ商品として伝わります。Poster Modeでは、マーケティングに使えるレイアウトを加えて印刷版を作れます。Starterプランは、写真25枚で月額$15です(FoodShotの料金を見る)。写真付きメニューが文字だけのメニューより売上につながるのと同じ理由です。人は、目に見えるものを注文します。
実物のカルダモンロールの隣に置かれた、同じパンの写真入りカウンター用カード。獲得したいと思わせるロイヤルティ特典の写真
飲食店のロイヤルティプログラムを失敗させる4つのミス
飲食店のロイヤルティプログラムの多くは、ソフトウェアが原因で失敗するわけではありません。設計や日々の運用における4つのミスが、気づかないうちにお客様の信頼を損ないます。どれも、少ない費用で改善できます。
- 最初の特典までが遠すぎる。何ももらえないまま15回来店しなければならないなら、常連客の多くは数えるのをやめてしまいます。Domino'sでは2回の注文で最初の特典が得られ、Chick-fil-Aでは約$20の購入から始まります。
- レジで誰も声をかけない。登録してもらえるかどうかは、カウンターで決まります。スタッフには「今日のご利用分を、無料のシナモンロールに向けて貯めませんか?」という一言を伝え、シフトごとの登録数を記録しましょう。
- 設定したまま放置する。r/restaurantownersのある経営者は、ロイヤルティプログラムは「よくある、設定したら放置するやり方では済まない」と率直に述べています。毎月の特典交換率を確認し、暇な時間帯にはボーナスポイントや追加スタンプを獲得できる日を設けましょう。SquareもToastも、ボーナス特典に対応しています。当サイトの飲食店の販促施策一覧には、組み合わせやすい、客足の少ない夜向けのアイデアがあります。
- 告知せずにルールを変える。Starbucksの2026年の変更には強い批判が集まりました。一方、Paneraは30杯の上限を数か月前に告知しました。変更は事前に知らせ、すでに貯めた分の価値は守り、まずは新たに得られるメリットを伝えましょう。
よくある質問
小規模な飲食店でもロイヤルティプログラムを導入する価値はある?
費用を抑えて始めれば、たいていは価値があります。カフェが月額$25のデジタルスタンプカードを使う場合、1杯の原価を$1.25とすると、$5のラテの購入が月に約7杯分増えるだけで元が取れます。National Restaurant Associationが示した、消費者の78%はポイントを貯められる店を好むという結果は、需要の裏付けになります。店側の役割は、特典原価を常連客の利用額の約3%に抑えることです。
飲食店で最も安く使えるロイヤルティプログラムは?
印刷代だけで済む、紙のスタンプカードです。デジタルで最も安い選択肢は、ウォレットに保存するスタンプカードで、Loopy Loyaltyなら月額$25から使え、POSシステムも必要ありません。すでにSquare Plus(1店舗あたり$49)を利用しているなら、追加料金なしで特典プログラムを使えます。
ロイヤルティ特典はどのくらいの金額にすべき?
通常価格で見て、利用額の約5%〜10%が戻る設定を目指しましょう。「9杯購入すると10杯目が無料」は10%です。1ドルにつき10ポイントが貯まり、1,200ポイントで$12のボウル料理と交換できる場合も同じです。食材原価率が25%〜30%なら、実際の負担はお客様の利用額の約1.5%〜3%になります。豪華に見える特典でも、費用を安く抑えられるのはそのためです。
POSシステムなしでもロイヤルティプログラムを運用できる?
はい。紙のスタンプカードも、AppleやGoogle Walletのスタンプカードも、POSとの連携は不要です。スタッフは手持ちのスマホのスキャナーアプリでスタンプを付けられます。そのため、キッチンカー、ポップアップ店、市場の出店に向いています。
特典プログラムに登録してもらうには?
毎回の会計時に声をかけ、新しいお客様には、次回来店時に使える登録特典などを初日から用意しましょう。カウンター用カード、レシート、テイクアウトの袋にはQRコードを載せます。登録を案内する場所には、必ず特典商品の写真を見せましょう。お客様が登録するのは「ポイント」のためではなく、シナモンロールをもらうためだからです。
ロイヤルティ施策は、すでにいるお客様の再来店を支えます。新しいお客様を呼び込むには、当サイトの飲食店のマーケティングアイデア50選から始めましょう。ギフトカードを販売しているなら、こちらのギフトカード販促施策で、新規客をそのままプログラムへつなげられます。
