ブログに戻る
飲食店の原価計算

フードコスト計算ツール:どんなレシピも5分で価格設定

Ali Tanisのプロフィール写真Ali Tanis8分で読めます
共有:
フードコスト計算ツール:どんなレシピも5分で価格設定

飲食店の原価計算ツールは、食材の仕入れ値を、その料理に付けるべき販売価格に置き換えてくれます。ところが無料ツールの多くは、飲食店の利益をじわじわと削る要素を見落としています。下処理ロス、加熱による目減り、ピッチャーに残って捨てるミルク、そして料理を詰めて出す容器です。この記事では、6ステップの計算シート、2分で作れるGoogle スプレッドシートの原価計算表、そして最初から最後まで計算した3品(チーズバーガー、ラテ、10人分のケータリングトレー)を紹介します。

概要:一皿あたりの原価とは、提供する分量で計算した各食材の行(歩留まり調整済み)の合計です。販売価格は、その一皿あたりの原価を目標原価率で割って求めます。歩留まりのステップを省いていたら、今回のケータリングトレーは$85で売られ、原価率は35.3%(本来の目標は30%)になっていたはずです。

飲食店の原価計算表を使う6つのステップ

  1. 提供する分量を量る。多くの計算表がつまずくのは、分量を目分量で決めているところです。計量することが、ポーションコントロール(分量管理)の第一歩になります。
  2. 請求書の金額を単価に直す。牛ひき肉の10ポンド入りケースが$56なら、オンスあたり35セントです。
  3. 歩留まりで割る。歩留まりとは、仕入れた量のうち実際に皿に載る割合のことです。USDA Food Buying Guide(米国農務省の食品購入ガイド)によると、下処理前のロメインレタスで使える葉は64%です。
  4. 提供量を掛ける。これで食材ごとの原価の行が出ます。
  5. 見えにくい項目を足す。量りきれないほど少量の油、塩、ソース、付け合わせは、一律の「Qファクター」(少量の食材をまとめて見込む額)でまかないます。テイクアウトやケータリングでは、さらに容器・包材のコストもかかります。
  6. 価格を計算する。一皿あたりの原価 ÷ 目標原価率(%) = 販売価格。すでに付けている価格を検証するなら、一皿あたりの原価 ÷ メニュー価格 × 100 = 原価率 です。

理論面は原価の計算式ガイドで解説しています。

無料の原価計算表テンプレート(Google スプレッドシート)

メールアドレスの登録もデモの申し込みも不要です。空のGoogle スプレッドシートを開き、次のように入力してください:

A1 Ingredient | B1 Pack price | C1 Pack size | D1 Unit | E1 Yield % | F1 Portion | G1 Unit price | H1 Line total

G2  =IFERROR(B2/C2,0)
H2  =IFERROR(G2/E2*F2,0)        (select G2:H2 and fill down to row 15)

G17 Plate cost           H17 =SUM(H2:H15)
G18 Target food cost %   H18 30%
G19 Suggested price      H19 =H17/H18
G20 Your menu price      H20 (type it)
G21 Actual food cost %   H21 =H17/H20
G22 Gross profit         H22 =H20-H17

入り数は分量を量るのと同じ単位で入力し(10ポンドのケースなら、オンス単位で160)、歩留まりはパーセントで入力します。タブにはそれぞれレシピ名を付けましょう。「ファイル › ダウンロード」でExcelまたはPDFのコピーを保存すれば、厨房のレシピファイルに綴じておけます。この原価計算表は、レストラン、カフェ、キッチンカー、ゴーストレストラン、ケータリング業者のどれでも同じように使えます。

計算例1:$9.95のチーズバーガー

食材仕入れ値歩留まり分量項目
牛ひき肉 80/20$5.60/ポンド100%生で5オンス$1.75
ブリオッシュバンズ$6.60(12個入り)100%155セント
アメリカンチーズ$28.80(160枚入り)100%1枚18セント
ロメインレタスの葉$2.40/ポンド64%½オンス12セント
トマト$2/ポンド90%*1オンス14セント
Qファクター:ソース、ピクルス、バター一律––25セント
レシピ合計$2.99

目標原価率30%なら、このバーガーには$9.97が必要なので、メニューには$9.95(30.1%)で載せます。*トマトの歩留まりは、芯を取った後の私たちの想定値です。ご自身の店で量ってください。牛肉が100%なのは、パティを生の状態で量り分けるため、加熱による目減りがすでに原価に織り込まれているからです。

生の牛肉パティと、焼いた後の同じパティ。加熱による目減りは、バーガーの原価にすでに含まれている

ここからは、どの原価計算ツールも教えてくれない話です。米国農務省(USDA)の経済調査局(Economic Research Service)は、2026年に牛肉・子牛肉の価格が9.8%上昇すると予測しています(Food Price Outlook)。ケースの仕入れ値が$6.15/ポンドに上がれば、同じバーガーの原価は$3.16、$9.95で売ると原価率は31.8%になります。皿の上は何も変わっていないのに、利益率だけが変わったのです。BLS(米国労働統計局)による牛ひき肉の小売平均価格は$6.92/ポンド(2026年8月)でした。卸業者の見積もりがそれを上回っているなら、電話で確認する価値があります。

計算例2:12オンスのラテ(とオーツミルクの落とし穴)

食材仕入れ値歩留まり分量項目
エスプレッソ用コーヒー豆$11.50/ポンド95%18g(ダブル)48セント
成分無調整牛乳$3.90/ガロン85%8液量オンス29セント
カップ、フタ、スリーブセットあたり18セント100%118セント
Qファクター:砂糖、マドラー、紙ナプキン一律––4セント
レシピ合計99セント

目標原価率22%なら、ラテは$4.50になります。豆の95%は、朝の抽出調整(ダイヤルイン)で使うショットの分、牛乳の85%は、ピッチャーに残って捨てるミルクの分です。どちらも想定値なので、自店で計測してください。牛乳の平均価格は小売でガロンあたり$4.23でした(2026年8月)。カップを計上し忘れると、テイクアウトのラテは原価を18セント少なく見積もることになり、原価率22%で値付けすると82セントも安すぎる価格になります。

落とし穴はPOSの有料オプション(モディファイア)です。オーツミルクは$40で32オンス入りが12本なので、牛乳の行は98セント、ドリンク全体の原価は$1.68に上がります。原価率22%を守ろうとするとラテは$7.64、つまり誰も払わない$3.14の追加料金が必要になります。代わりに守るべきは金額です。牛乳のラテは$3.51の粗利を生むので、$1.68に$3.51を足すと$5.19。オーツミルクへの変更を70セントの追加料金にすれば、利益は目減りしません。オプションの価格は、原価率ではなく一杯あたりの利益で決めましょう。

計算例3:10人分のケータリングトレー

レモンハーブ風味の鶏もも肉、ハーブライス、ロースト野菜、ロールパンをアルミトレーに詰めたもの。ケータリングでは加熱後の料理を重さで取り分けるため、歩留まりの誤りが大きな損失につながります。

食材仕入れ値歩留まり分量項目
骨なし鶏もも肉$3.20/ポンド加熱後75%加熱後50オンス$13.33
ハーブライス(サブレシピ)一人前あたり24セント–10$2.40
ミックス野菜$1.90/ポンド下処理後80%40オンス$5.94
ロールパンとバター一人あたり30セント100%10$3
Qファクター:マリネ液、油、レモン、ハーブ一律––$1.80
アルミトレー、フタ、取り分け用スプーンセットあたり$3.50100%1$3.50
レシピ合計$29.97

原価率30%なら、トレーの価格は$100弱です。一人あたり$10とすれば、販促でも打ち出しやすい数字になります(ケータリング集客アイデアも参考にしてください)。

では、歩留まりを入れずに計算してみましょう。鶏肉は生で50オンスあれば足りるものとして($10)、野菜は仕入れたままの量で($4.75)計算すると、トレーの原価は$25.45に見えます。原価率30%で値付けすると$85のトレーになりますが、実際の原価率は35.3%です。同じ料理なのに、利益率が5ポイント消えてしまいます。75%という数字は計画用の目安です。USDAの加熱歩留まりに関する研究では、ローストチキンの歩留まりは65〜84%と幅があるため、試しに一度焼いて重さを量ってください。同じ計算は$400のデリバリー向けトレーにもそのまま使え、ケータリングの売上を伸ばすあらゆる計画の土台にもなります。

試し焼きした鶏もも肉のローストと、取り分けた焼き汁。ケータリングトレーの原価に使う加熱後の歩留まりを出すために重さを量る

一皿あたりの原価と期間原価の違い

原価計算ツールで出せるのは、一皿あたりの原価、つまりレシピどおりに作った場合に料理にかかるはずの原価です。一方、期間原価は実際に使った金額で、棚卸しから計測します:

期間原価率(%) = (期首棚卸高 + 仕入高 − 期末棚卸高) ÷ フード売上高 × 100

ある週の例:期首在庫$8,200に仕入れ$11,400を足し、期末在庫$7,900を引くと、使用額は$11,700です。フード売上$36,000に対して、これは32.5%になります。販売数で加重した一皿あたりの原価率が29.8%なら、差の2.7ポイントは$972。廃棄、盛りすぎ、サービス(無料提供)、盗難、あるいは古いままの価格データで失われた金額です。

多くの経営者は1〜2ポイントの差なら正常とみなし、それ以上開いたら厨房のラインを見て回るきっかけにします。在庫管理ソフトを使えば棚卸しを自動化できますが(飲食店のAIツールのまとめ記事を参照)、クリップボードでも十分です。差が何か月も開いたままなら、オーナーは飲食店コンサルタントやフードコンサルタントに依頼することがよくあります。

原価率はどのくらいを目標にすべき?

業態一般的な目標
クイックサービス、ファストカジュアル25〜32%
カジュアルなフルサービス28〜35%
ファインダイニング、ステーキハウス30〜40%

これらは目標ではなく、妥当かどうかを確かめる目安として扱ってください。$42のステーキを原価率38%で出せば$26.04、$18のパスタを22%で出せば$14.04が手元に残ります。家賃を払えるのは金額であって、パーセントではありません。キッチンカーやデリバリー専門店には、さらにイベント出店料、アプリの手数料、キッチンの賃料がかかるので、キッチンカーの事業計画、キッチンカーのメニュー、デリバリー専門店のメニュー設計、ウーバーイーツで注文を増やす方法も参考にしてください。

値引きの前や価格改定の前にも、必ず計算してください。秋の販促アイデアでは、施策ごとの利益計算を紹介しています。デジタルメニューボードなら変更のコストは安く済み、新しい価格は、それに合わせて作ったメニューで打ち出すのが最も効果的です(メニューデザイン、売れるメニューの書き方)。

料理の価格が決まってメニューに載ったら、次はその料理を売る写真が必要です。メニューエンジニアリングの解説記事で、どの料理から撮影すべきかを紹介しています。

よくある質問

メニュー一品の原価はどう計算すればいいですか?

各食材を提供する分量で量り、請求書の金額を単価に直し、歩留まりで割り、分量を掛けて合計します。その一皿あたりの原価を販売価格で割り、100を掛ければ原価率が出ます。

原価率30%は適正ですか?

多くのカジュアルなレストランにとっては妥当な中間値です。クイックサービスはこれより低く、ファインダイニングは高くなります。より良い判断基準は、一皿あたりの粗利と、期間原価が一皿あたりの原価から2ポイント以内に収まっているかどうかです。

容器・包材も原価に含めるべきですか?

テイクアウト、デリバリー、ケータリングの商品なら、含めるべきです。カップやフードパック、トレーは料理と一緒にお客様の手に渡るからです。別の項目として管理してもかまいませんが、価格には必ず織り込んでください。

原価に人件費は含まれますか?

含まれません。人件費はプライムコスト(食材費+人件費。日本でいうFLコスト)に入り、経営者は利益を守るため、これを売上の60%未満に抑えるのが一般的です。

原価計算表はどのくらいの頻度で更新すべきですか?

食材の価格が5%以上動いたら、その時点でレシピを計算し直し、シート全体は四半期ごとに見直しましょう。2026年は牛肉に要注意です。

著者について

Foodshot - 著者プロフィール写真

Ali Tanis

FoodShot AI

#原価計算ツール
#原価率の計算ツール
#原価の計算方法
#フードコスト

AIで料理写真を変革しよう

ご自身の料理のスマホ写真を、1枚あたり約2分でプロ品質の料理写真に変換。プランは$15/月から。